今年の冬は寒い日が多いです。北の方では雪がいっぱい降ったので1月末にふかふかの雪の中ボードで滑ってきました。さて仕事の話ですが、今年から電気保安管理を始めた排水ポンプ場でのことです。担当は私ではないので、今回は応援の立場での参加で,合計4名での点検作業です。
まずはUVRとOCRの試験を私が担当。担当者がDGRの試験です。DGR単体の電流試験でおもいきり規定値外になる上、130%連動試験でもDGRが動作しないとかで焦ってます。結局PASが動かないので、試験ボタンで停電します。その後私も試験に取り掛かります。UVR、OCR試験共に単体の試験は正常に動作します。しかしOCR連動で遮断機が動かない。電圧トリップなのでコンデンサに電源は入れてるのに、インターロックが何か入ってるのか?断路器にリミットスイッチが付いてるので、入れてみたけど動かない。手元に図面はないし、時間もないので、他の作業に移行。何とか時間ぎりぎりで終了はしたものの、DGRの電流試験と連動試験は×、OCRも連動動作の確認ができない悲惨な現状です。

復電後に一息ついてそれぞれの原因を調べていきます。まずは図面の確認です。大規模改修が3年前にあった設備なので図面一式厚み1mほどのファイルの中から電気図面を探していきました。 まず一番肝心なDGRとPASの連動動作が不良の原因を調べていきます。単体試験の時から、電流試験で動作電流が毎回大きく変わっていたのがヒントになります。図面上の確認では問題ないので現物を調べます。PASから継電器本体までの長さ80mくらいあり高圧ケーブルと制御ケーブルが並走しています。接続部を確認しながら追っていくと継電器手前の端子台まではシールド線が配線されてるのに、継電器にシールド線の接続がありません。シールドの両端が浮いた状態です。これは誘導の影響を受けていることが可能性として大きくなりました。(^▽^)/一つ解決か?
次にOCRとVCBの連動がなぜできなかったかの調査です。シーケンスを確認したところVCB投入電源RC1、SC1に電圧がないと動かない回路となっています。またDGR、OCR、UVR、3つの継電器の動作でVCBを遮断する回路になっています。(見えにくいですが、下の写真の母線はRC1、SC1でVTの100v電源です。)

この図面の回路ではUVR、OCR、DGRの3つの保護継電器の動作接点でX6のリレーを動かしその接点をバックアップコンデンサの直流側に入れて、遮断機の切り動作をする回路(最初の写真)になっています。
停電後のUVR、OCRの連動試験ではVCB投入電源の電圧はないので、ここに電源を入れないと遮断機は動きません。・・・もうひとつ、地絡継電器をテストボタンで落として停電した時、なんで遮断器動作してないのかも気になります。

まずUVRで遮断器は確実に動作しないことがわかります。理由はUVRが動作する時点でVCB投入電源にはリレーを駆動させる電圧がないからです。次にOCRは過電流の場合なら動作しますが、遮断器以降の高圧回路での短絡事故などでは動作しない可能性が高いと思われます。これも高圧短絡すればVCB投入電源が無くなるからです。DGRもPAS動作が早いとVCBの動作前にVCB投入電源がなくなるので動かない可能性が高いと思われます。 簡単に言うと商用電源が無くなっても、リレーを動作させるためのバックアップ電源が必要です。
最近よく見るのが高圧の保護継電器回路がデコレーションケーキかというくらいのシーケンス回路が組まれ、複数のコンデンサやUPSでバックアップする回路が多くなっていますが、私としては後々のメンテナンスが大変になるのと、リレーや接点を何個も通すと不具合の確立も上がるので、極力シンプルに組んでほしいと思っています。
この事業所では、これ以外に不足電圧継電器MUV-A3Vリコールがヒット。低圧負荷のプルボックス内で接地線の結線忘れもあり。昨年まで管理していた大手〇〇協会さん、竣工試験と翌年の年次点検やってるはずなのに、なんでこんな不具合残ってるのか呆れます。点検業界はその担当する人の資質に大きく左右される業務です。当社においても社内レベルを一定水準以上に上げ、保っていくことを一つの目標にも掲げていますが、こういったことを経験すると更に気が引き締まります。